インドというと、治安が良くない、汚いというようなイメージがあるかもしれません。女子1人で行くとなると、ハードルが高いと思われがちです。では実際どうなのか。私が経験したインドの旅を日記という形でここに記録してみたいと思います。
なぜひとりでインドへ?
そもそもなぜ私がインドに行こうと思ったのか。1番大きな理由は、インドという国を、自分の目で確かめて、自分の肌で感じたかったからです。
インドは「ハマる人はハマるけど、ダメな人はダメ」とか、「行くと人生観が変わる」とか、「日本の常識が一切通用しない危険な国」とか、とにかくヤバい国だという噂をたくさん聞いてきました。
それが本当なのかはよく分からないけれど、きっと、今の自分の想像力では想像しきれない文化や生活、価値観が存在するはず、だからそれを見てみたい。そんな気持ちで、インドに行くことを決めました。
危険だから辞めた方がいいという周囲からの反対もありましたが、それも行ってみないことには分かりません。ちなみに、インドに行ったことがあるという人から反対されたことは一度もありませんでした。
それから、本場のカレーを食べたい!というのも大きな理由の1つです。
1人旅になったのは、一緒に行ってくれる人が周りにいなかったから。でもその方が、インドにどっぷり浸かれるだろうと思いました。
そんな感じでインドに行くことを決め、10日間の休みを取りました。そして詳細な情報収集のための本、「地球の歩き方」と一応女子旅なので「aruco」を買いました。初めてなので、とりあえず首都デリーへの往復の航空券を取り、1泊目の宿だけ予約ました。
空港到着も、いきなり挫折
さて、旅の初日。デリーへはマレーシア経由でした。マレーシアからデリーへの飛行機は、日本人は1人もおらず、ほとんどがインド人。ここでようやくインドに行くという実感が湧いてきました。
そしてお昼過ぎにデリーの空港に到着。ここでいきなりトラブル発生です。
インドの通貨ルピーは国外持ち出し禁止なので、日本で両替することができず、インドで両替しなければなりません。空港の両替は割高になると聞いていたので、いったん空港を出ました。しかし空港の外に両替ショップは無く、市街地へ出るために地下鉄へ行くと、切符は現金でしか買えないと言われてしまいました。
仕方なく空港の両替ショップを使おうと再び空港に戻ろうとしたところ、入り口にいた警備員に「No!!!!!」と怒鳴られたのです。警備員はでっかい銃を持っていて、めちゃくちゃ怖い顔。軍人さんみたいな風貌です。え、なんで??もう半泣きでした。
話を聞くと、航空券を持っていない人間は、セキュリティ上、空港に入れないとのこと。ですが私もここで両替ができなければ露頭に迷います。引き下がるわけにはいにません。
「今到着したところなんです!」と、デリーまでの搭乗券とパスポートを見せました。すると、「荷物を置い行くなら入っていい」と言います。危険物が入っていてはいけないからでしょう。ですが1人なので荷物を預ける人はいないし、インドで荷物を置きざりにするのはどう考えても危ない。
「荷物は置いていけない」「いや、置いていけ」の押し問答。
拉致が開かないので、「それなら、あなたが私の荷物を見ていてくれ」と言って、警備員さんの足元に荷物をを置くと、彼も折れたようで、「5分以内に戻って来い」と入館を許してくれました。全力で「Thank you very much!」と言いましたが、1ミリたりとも微笑んでもらえませんでした…。
そしてダッシュで両替。荷物は無事回収できました。必要最低限のインドルピーは空港で両替しなければならないということを学びました。
宿ではトカゲがお出迎え
ようやく地下鉄へ。インドの地下鉄は全て手荷物検査と身体検査のセキュリティチェックがあります。公共の機関の警戒は、どこもかなり厳重なようです。
そして、1泊目の宿があるニューデリーへ。駅を出たとき初めて、デリーの街を目の当たりにしました。するとここで急に「恐怖」と「孤独感」に襲われました。周りから聞こえるのは、日本語でも英語でもない全く耳慣れない言葉。空気は汚れているのが目に見えて分かるほど霞んでいて息苦しい。手足の無い物乞いや、痩せ細った犬や鳥がうろうろしていました。これがインドなのかと、いきなり圧倒されてしまいました。
とにかくまず宿にチェックインしようと、Google マップで場所を検索し、徒歩で向かいました。道中も人と動物と車で溢れ返っていて、歩くのも一苦労、とにかく不安でいっぱいでした。
この日の宿は、「ニュデリーYMCAツーリストホステル」。1泊1,500円くらいです。宿泊者は欧米系の人が数人いて、少しホッとしました。
チェックインをして部屋に案内されると、いきなり部屋の扉に、数匹のトカゲが。トカゲは嫌いじゃ無いけど、一緒に寝るのはちょっと嫌かな…他にもいろんな虫がいるんだろうなと、覚悟を決めました。そして渡された鍵はもちろんカードなんかではなく、超レトロでかなり心許なかったです…。
心が折れかけたインド初日
予想はしていたものの、いざその環境に身を置くと、どんどん心細さが増していきます。わりとどんな環境にでも適応できる自信がありましたが、全くでした。なぜこんなところに来てしまったのだろうと後悔さえしました。
チェックインを済ませた頃にはすでに夕方。長旅の疲労と、インドの洗礼を受けて心が折れかけていたせいで、遠くを散策する気にはなれませんでした。宿の周りを散歩したあと、部屋で次の日の計画を練ることに。
必ず行きたかったのは、アグラ。タージマハルがある街です。電車で3時間ほどということなので、とりあえず次の日の早朝に切符を買って、アグラに向かい、デリー観光は旅の最後にすることにしました。
ある程度次の日の計画を立てて、この日は早々に眠ることに。シャワーはお湯が出たのでちょっと安心。ただこの部屋、蚊がいっぱいいてなかなか落ち着きません。とりあえず虫除けスプレーを大量に浴びて、頭まで布団を被って寝ました。いきなり出鼻をくじかれたインド初日でした。
そんなこんなで、初日はほとんど写真なんて撮れませんでした。こんな旅の始まりでも、最後にはまた行きたい!と思える旅になったので、その途中経過を引き続き綴っていきたいと思います。
つづく